曲目解説
= 川 =
橋本國彦(1904 - 1949)は、昭和初期に多くの歌曲を世に送り出してて名声を得た作曲家。文部省の命により1934年から1937年の間、ウィーンに留学。帰国後は日本洋楽界きってのモダニストとして、他の作曲家にはみられない斬新な旋律と和声で日本の歌曲に影響を与えました。
当時の我が国音楽界はドイツ音楽が主流で、橋本もドイツ・ロマン派の技巧から出発しました、フランスに留学した詩人・深尾須磨子との出会いが、橋本の音楽に決定的な影響を及ぼすこととなります。深尾の現代詩にふれ、その自由なスタイルに触発された事が橋本の音楽の方向を決定的なものにしたのです。
「川」は、山あいを、時に穏やかに、時に波立ち、時には激しく波しぶきをあげながら下っていく川の情景を生き生きと映し出している名曲。旋律も和声も橋本ならではの機知に溢れています。
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